2016年11月27日日曜日

平野弥 2016年秋新着ワイン試飲 1/2

エスプリデュヴァンが2016年秋に輸入した新着ワイン。ワイン会は前日に実施されているので、抜栓後1日のボトルで試飲します。輸入到着後、まだ1週間の状態です。


Francois Mikulski  2014 Bourgogne Blanc @4500
甘く柔らかい香り。奥にシャープさがあり、そこから洋ナシがリッチに膨らむ。スーッと長く香りを吸い込むとキラキラという星の瞬きがあるところはミクルスキらしい。口に含むと舌全体を包み込み、旨みのバランスがよく、リッチな洋ナシがふわんと膨らむ。余韻は舌全体にある。全体の印象は中心にゼリー状のように粘性の高い液体で、そのゼリー状内にミネラルが内包されている。周囲はゼリー状の大きさより5倍大きい空間となっている。美しくリッチ。


Jean Claude Ramonet  2014 Bouzeron @4800
果皮の甘皮を少し混ぜ合わせた香り。ショコラのような黒さを感じさせる塊が丸くある。その丸い塊の中から酸が「~」のような形でうねりながら伸びていく。口に含むと平面に広がり、白粉やユリ、栗の花のような曇りを感じさせる風味があり、そこから軽めにふぁっと湯気のように味わいが立ち上る。


Jean Claude Ramonet  2014 Bourgogne Chardonnay @5400
美しくシャープさのある3㎝ぐらいの泉からミネラルや酸、少しの果実が香りとして湧いてくる。ゆっくりと自然に湧き出てくるので強過ぎる印象はない。味わいは果実の苦みがあり、酸味は舌におだやかでオレンジの風味、白粉のようなふんわり感が出てくる。後味に柑橘果実の甘皮の苦みがある。


Jean Claude Ramonet  2014 Pernand Vergelesses Blanc @7700
前者のACブルゴーニュと同じ系統だが、リッチで光沢のある果実の液体の香り。そこから涼し気な風が流れる。ハーブ、タイム、ジャスミン、ローズマリー、グリーン、グリーンなオレンジ、白い色を感じさせる香りがある。口に入った瞬間にパッと華やさが膨らみ、舌には味わいが降り注ぐようにじわじわと入り込み、周囲は明るい。リッチさもある。ACブルゴーニュとは大幅に差があり、格が明らかに異なる。


Francois Mikulski  2014 Meursault @8900
明るさのある冷涼な感覚。秋や冬の明け方を感じさせる。そこにドサッと果実がストレートに来るのでカットされた果実の印象を受ける。口に含むと果実の旨みがトロッとあり、そこから明るく広がりながらトロッとさが続く。旨みありながら明るいところがよい。舌の上に上突の円弧上に味わいがあり、その中央がグンっと力強く隆起する。ドーヴネと比較すると薄いが同じコアを感じる。しかし、昨日抜栓のためかミクルスキに感じるキラキラ感は感じされなかった。


Jean Claude Ramonet  2013 Chassagne Montrachet Blanc @8900
グレープフルーツの甘皮、酸とミネラルが弧を描きながら交錯して伸びていく。味わいは果実の甘皮の苦みが交じりあって、ほわんとした饅頭の形をしたところから味わいが柔らかく昇華する。


Jacques Carillon  2014 Puligny Montrachet @9300
バッといきなり香りの波がリッチにくる。リッチな中にグリーン、周囲は黒さやショコラがふぁっと広がる。口に含むと均一性のある15㎝ぐらいの球体の中央からまっすぐに自分の方向へグングンとミネラルを伴って攻めてくる。明るく透明感ある戻り香と味わいが広がる。全体の印象は空間が球体状で大きく、白く明るく、ミネラルがすごく張る。全体がふぁっと明るく消えていく感覚が美しい。


Jean Claude Ramonet  2014 Bourgogne Pinot Noir @4500
赤果実をつぶしたような香りが中央にある。そのつぶした香りはジャムのような煮詰めたものでなく、コンフィチュールとフォークの背でつぶしたフレッシュさの中間ぐらい。この周囲には優しく甘い薄い香りが広がる。口に含むと味わいは薄めだがシャバシャバではなく、甘さを点在させた濃さがある。黄色い花の印象がある。また作りこんだ印象を受ける。


Alain Hudelot Noella  2014 Bourgogne Rouge @4300
品があって美しく、品のよいたたずまいを感じさせる香り。口角が上がっているかのような下突の円弧に沿って、中央から左右へと香りが素直に広がる。円弧は同心円状に2重になっている。口に含むと香りと薄いが香りと同じ印象でスムーズに流れていく。香り、味ともに素直で、鼻孔できれいに広がり、風のように吹き抜けていき球体状にほわっと膨らむ。ピノのピュアさがそのまま出ている。余韻でジーンと心に響く。


Charles Van Canneyt  2014 Bourgogne Pinot Noir @3900
焦げ、ザラメ、醤油、少しのくぼみ、ゴムのような黒さが核としてあり、果皮の苦い香りもある。口に含むと薄いがアタックがあり、中間は少し中抜けして、その後は伸びていく。薄いが濃い果実の甘さも点在する。作りこんだ印象を受ける。


新しいボトルを抜栓。
この2本目はナッツ、硫黄臭があり、うぉっと感じる迫ってくる攻めてくる香りや味わい。柔らかいがグッと押してくる。

前者のユドロ・ノエラと比べて、風が吹き抜けるような伸びや感覚が近い。ユドロ・ノエラは飛行機が陸上を走り出し、スーッときれいな円弧を描きながら離陸、上昇していく。それに対して、このシャルル・ヴァン・カネイは走り出しがなく、いきなりガツっと浮遊して、そこからはスムーズに、少しふらつきを持ちながら(1本目)、上昇していく。アタックあるので飲み応えある。
シャルル・ヴァン・カネイはユドロ・ノエラの息子さんだそうです。若さと意気込みを感じる香りや味わいです。好みではユドロ・ノエラの素直さが好きです。


Huber Lignier  2014 Bourgogne Rouge @4600
濃い紫色。黒さのある赤紫、黒赤果実が5cmぐらいのエクレア状であり、赤い花、スーッとする感じがある。日は照っているがやや陰湿な印象を受ける。口に含むと味も果実がはっきりとあり、舌に重さはなく、その状態で圧力を与える。後半には赤果実の酸味、スモモのような酸味が伸びていく。全体的にまとまりがある。


Robert Groffier  2014 Bourgogne Passetoutgrain @4700
濃い紫色。ザラメの香り。陽と陰の香りが交じっている。この陽と陰は振りほどけることなく一体となっている。味わいも一体の球体。表面はとても柔らかでやさしい。酸味と旨みのバランスもよい。余韻に残るのは甘さと空間。鼻孔への戻り香がリッチ。


Robert Groffier  2014 Bourgogne Pinot Noir @7100
香りは前者のパストゥグランと同じで活き活きとし、丸い核から酸などが矢印のように尖って出てくるところが異なる。口に含むと口内いっぱいに風味が膨らむ。美しい部分とあじが濃い部分、果皮の苦みも交じる。濃さが点在するパーティクル状で、戻り香がリッチめ。センスのある香りと味わい。

その2に続きます。